ビジネススキル

フリーデザイナーの為の正しい営業力の磨き方

こんにちは!現役インテリアデザイナーのいまこ(@imakonointerior)です。今回は、フリーデザイナーの中でも苦手意識を持つ人の多い「営業力」について筆者の実体験を踏まえてお伝えしていきます。

初心者ちゃん
初心者ちゃん
営業苦手です~ってか、嫌いです…
いまこ
いまこ
うん、超わかる。気持ちはよくわかるから、とりあえず読んでみてほしい!

 

こんな方におすすめの記事です

・フリーデザイナーとして独立を考えているけど「営業」がとにかく苦手…

・フリーデザイナーとして独立したものの、営業の壁にぶち当たって悩み中

筆者も「営業」というワードに苦手意識があります。独立して4年が経ちますが、最初の頃はしどろもどろすぎて気が付いたらお客様と連絡がとれなくなった…なんてことも何回もあります。完全なる黒歴史です。そんな筆者ですが、「営業」についての固定観念を排除することで、驚くほど営業に対する苦手意識が消えて聞きました。そのあたりのお話をしていきます。

営業がうまくいかない理由

売り込まない、絶対

「営業」と聞くと「売らなきゃ!」という気持ちになりますが、売る気満々の人から商品を買うのってちょっと怖くないですか?デザイナーの場合だと「私ってこんなにすごい実績があって、こんなにすごいデザインができます」みたいなのが売り込みに当たります。でも、いきなりガンガン自分アピールされても「そんなにすごいんだ!じゃあお願いします!」とはならないんですよね。実際に私もやらかしたことはありますが、お客さんの気持ちがサァーっと引いていくのが手に取るようにわかりました(笑)

話せば話すほど売れない

営業というと「話すこと」を一生懸命考えると思います。でも、実はこれがうまくいかない一番の原因だったりします。特に、あまり話さないタイプのお客様だと、自分が話して場を繋げなければいけない雰囲気になります。でも、そういったときでも自分ばかり話すのはNGです。自分が話す内容を考えるのではなく、お客様の話を引き出すことに意識を向けることが大切です。

悩みを聞くだけもダメ

逆に、よく話すタイプのお客様だった場合、こちらが話すことを一生懸命に考える必要はありません。だからといってお客様の話を聞くだけで終わってはいけません。この場合、お客様をゴールに向けて正しく誘導することが必要になります。お客様が何に悩んでいるのかを聞き出し、その悩みが自分のサービスで解決できることを伝えます。お客さまが自分のサービスを選ぶ理由をわかりやすく提示して購入を決めてもらう。お客様をあなたの決めたレールの上に乗せてあげることが大切です。

まとめ

営業がうまくいかない理由としては「話しすぎる」「聞いているだけ」、この2つだけです。それ以外の理由でうまくいかないんだとしたら「ターゲット設定」と「あなたの強み」がズレているのかもしれないです。「ターゲット設定」と「強みの決め方」については今度記事にしますね。

フリーデザイナーの為の正しい営業力の磨き方

不安を消していく

お客様は「この人に頼みたい」と「この人に頼んでも大丈夫かな」という希望と不安の間を行き来しています。この時私達フリーデザイナーがやるべきこととしては

・お客様の希望をどこまでも膨らませてパンパンにする

・お客様の不安を徹底的に消す

この2つだけです。これができれば受注は確定です。

具体的に必要なのがこちらです。

・イメージ画像の準備

・実績(ポートフォリオ)の準備

・小学5年生がわかる言葉で説明する

・明確なつよみの設定

・明確な金額設定

・明確なスケジュール設定

ひとつずつ説明していきます。

イメージ画像の準備

まずはお客様のイメージにピッタリの画像を用意しましょう。デザインを買ってもらう場合、言葉だけの説明よりもイメージ画像でイメージしてもらった方が100倍早いです。自分の実績の中にお客様のイメージにピッタリのものが見つからない場合はネットで探しましょう。商用利用可能な素材でピッタリのものがあればいいですが、現実的にはなかなか見つからないものです。そういう場合は「自分の実績として紹介しない」「お客様に渡さない」という条件を守った上で、お客様と一緒に閲覧するといった形で見てもらえれば問題ありません。一番大切なのは「お客様のイメージにぴったりのもの」であるということです。イメージ画像を閲覧することで、イメージの共有もできる上に、お客様の希望をパンパンに膨らませることができます。

実績(ポートフォリオ)の準備

最初、お客様は「この人ちゃんとやってくれるのかな」という不安を持っています。その不安を消すために実績の紹介は必要不可欠です。「私、ちゃんとやってますよ!」というのを一発で説明できます、よく、企業サイトにも実績紹介のページがありますが、これはお客様の不安を消すための超強力なツールになります。一度作れば何度でも使いまわせるので是非作っておきましょう。

小学5年生がわかる言葉で説明する

デザイナーとして長年仕事をしているとついつい専門用語を使ってしまいそうになります。でも、これは辞めた方がいいです。人はわからない言葉に不安を覚えます。例えば筆者はIT系が苦手なので、ネット環境がよくなかったりすると秒速でJCOMに電話をします。その時に、専門用語ばかりで説明をされたらわけがわからなくて多分電話を切るし、JCOMとの契約は解除するかもしれません。それと同じです。デザインについて説明をするときはなるべくわかりやすく、イメージとしては小学5年生がわかる程度の説明を心がけましょう。

明確な「つよみ」の設定

つよみというのは、お客様があなたを選ぶ理由に直結します。他ではなくあなたを選ぶ理由を言語化しておくことは、あなた自身が仕事をする理由を明確にするためにも必要です。ちなみに、筆者の経験上言えることはつよみは聞かれたら説明しますが、聞かれなかったら特に説明する必要はないと思っています。よく、ゴリゴリの営業マンが「当社を選ぶ理由」などと言って自分のつよみを力強くプレゼンする場面に遭遇しますが、あのやり方はデザイナーには向いていないというのが筆者の持論です。つよみを自分の中に明確に持っておく意味としては、お客様の話を聞く姿勢や、自然なながれでお客様をゴールへと誘導するためのスパイス的な意味で捉えてもらえれば大丈夫です。

明確な金額設定

お客様が一番関心があるのが金額です。これは、資料として説明できる形で持っておく必要があります。目で見て確かめることができないとお客様の不安は残ったままです。デザイン料としていくらかかるのかを提示することはもちろん、様々な例外的なケースについても明文化しておくとお客様の安心感をアップさせることができます。インテリアデザインでいえば、デザイン料は○○円、商品の手配は○○円、工事は○○円、といった形で説明できる資料を用意します。工事の場合はプラン確定前で工事費用を出すのは難しいので、工事を依頼の意思があるかどうかを確認すれば問題ありません。

明確なスケジュールの説明

お客様によく言われるのが「今後の流れはどうのような・・・」といったものです。全体の流れが掴めないとお客様の不安がは残ったままです。これも資料を用意して説明するのがベストです。インテリアデザインの場合、おおまかな流れは以下のようになります。

契約→お振込み(デザイン費用)→プランニング→デザイン→お振込み(工事費用)→手配→工事→完了

こんなかんじですかね。もちろん他にも色々なパターンはあると思います。要は、

・デザイナーとして何をいつまでにするか

・お客様に何をいつまでにしてほしいのか

このあたりを明確に共有するイメージです。

まとめ

最初にも言いましたが、営業をする上で一番意識するのが「お客様の不安を一個一個消していく」だけです。そのためにも、お客様の悩みを引き出す「質問力」「ヒアリング力」を磨いておくことは大切です。ただ、これもテクニックにおぼれた感じの質問力だと、テンプレート感がお客様にバレる可能性が高いです。あくまでも、お客様の悩みに寄り添う「共感」の姿勢が一番大切になってきます。

決めてもらうための営業

お得感を打ち出す

デザイナーをしていると、自分のデザインがお得だと思われることは少し心外に感じる人も多いと思います。筆者もどちらかというとそちらのタイプです。ただ、やはりこの「お得感」は経験上大切だと感じます。金額を安くするということではありません。金額を「わかりやすくする」ことが一番大切です。理由は「お客様が決めやすくしてあげる」ためです。先ほど金額設定を明確にと言いましたが、設定内容が多すぎるとお客様の決めるハードルが上がってしまいます。そうするとお客様は「決めない」という選択をします。これは心理学的にも証明されていることです。なので、決めやすくするために金額設定を工夫します。例えばこんな感じです。

・デザイン料10万

・家具の組立設置料5万

この二つの項目をパッケージ化して

【デザイン料(組立設置料込)15万】と表示する

これにより家具の組立費用を依頼するかどうかを決める手間が省けます。予算オーバーのお客様には「デザイン料だけであれば10万でいいですよ」と提案できてお得感があるし、そもそも組立設置を必要としていない客様にも同じように説明してお得感を感じてもらうことができます。

期限を決める

「今日決めてもらえればお得です」というものです。これは賛否両論あると思いますが、筆者は割とやっています。「通常はデザイン料10万・組立設置は5万ですが、今日決めてもらえれば組立設置込みで10万でいいですよ。」といった形で決断を促します。フリーランスのいい所は、やってうまくいきそうなお客様にはやってもいいし、やったら嫌がりそうなお客様にはやらなければいいという決断がその場でできるところです。あくまでも筆者の場合ですが、女性のお客様の場合はこのやり方を使うことが多いです。

値引き交渉には応じない

お得感は大切ですが「値引き交渉」には応じてはいけません。値引き交渉に応じた場合、お客様は「安いから」という理由で決断したことになります。安さを売りにしているのであれば問題ありませんが、そうでない場合はやらない方がいいです。理由としてはデザイナーとしての質が下がるからです。単純な価格交渉には応じず、ある程度のかけひきに打って出ることがデザイナーとしての軸を太くすることにつながると考えています。

まとめ

営業というと「ギラギラしている」「自信に満ち溢れている」そんな雰囲気の人が売る気満々でまくしたてるイメージがあるかもしれませんが、そういったイメージは全く必要ありません。営業テクニックのラポールがなんちゃらとかオープンクエスチョンがどうとか色々ありますが、そういったテクニカルなことよりももっと大切なことがあります。それが「共感」と「不安の解消」です。この2つを意識して営業に取り組んでみてください。応援しています!