デザインスキル

スタバの内装がおしゃれだと感じる理由を徹底考察した②

初心者ちゃん
初心者ちゃん
スタバの内装がおしゃれなのって何か秘密でもあるんですか?
いまこ
いまこ
あるある。ブランディング構築のための、スタバ的デザイン手法がちゃんとあると感じるよ
初心者ちゃん
初心者ちゃん
知りたいです
いまこ
いまこ
オッケー!

こんな方におすすめの記事です

・スタバのおしゃれの秘密が知りたい!

・デザイナーとして店舗デザインの参考にしたい!

・店舗オーナーとして開業を予定している

スタバの内装がおしゃれなのには、いくつかの明確な理由があります。筆者が発見したスタバの「おしゃれの法則」をご紹介していきます。

スタバの内装がおしゃれだと感じる理由を徹底考察した①

色使いへのこだわり方が「THEスタバのデザイン」を作っている

 

スタバといえばこの色

上の写真を見てください。超スタバっぽいと感じませんか?そう感じるのには、スタバの色使いへのこだわりが大きく関係しています。スタバの店舗で使われている色は基本的には3色しかありません。それは「木目」「グレー」「白」です。店舗によってデザインは違いますが、どの店舗もこの3色をベースにしているからお店をみて「スタバっぽ」と感じるのです。

 

色への飽くなきこだわり

色に関してはさらなるこだわりがあります。それが、「色相」のこだわりです。色って「色相・明度・彩度」の3つから構成されているんですけど、それの「色相」の部分。詳しくは今度記事にしにていくとして。要は、ぱっと見て「○○色だ」と思う「○○色」の部分が色相っていう認識でOKです。

 

この二つの色ですがどちらも「赤」だと感じますよね。つまり「色相」は「赤」で、明度とか彩度が違うからちょっと違った感じの色に見える。そんな感じで捉えてもらえればOKです。

さて、スタバに戻りますね。スタバって本当に「木目・グレー・白」ってところに徹底的にこだわっています。もちろん少しづつトーンを変えて「薄い木目」とか「濃い木目」といった形で濃淡をつけたり、同じく「薄い灰色」「濃い灰色」「ほぼ黒」みたいな感じでニュアンスの変化によるデザインはされているんだけど、パッと見てこの3色以外の色だと感じる色は使っていません。他のお店で比較をするとわかりやすいので、ちょっとここで「タリーズ」を引き合いにだしてみようかと思います。

 

 

こちらの写真がタリーズの店内です。木目を基調としているところは似ているんですが、スタバとは全く違う色使いをしています。家具をみてください。一人用のアームチェアをよくみてみてください。「黄緑」っぽいものと「オレンジ」っぽいものがありますね。タリーズの店舗デザインは結構色々なスタイルのものがあるので、全部コレ!というわけではありません。でも、スタバにはこういった形で「木目・グレー・白」以外の色を入れることはほとんどないですね。スタバの場合、別の色を入れたい場合は全く別のトーンで入れ込んできます。例えばこんな感じ。

 

コチラの写真をよくみてください。真っ赤な椅子と真っ黒な椅子が並んでますね。スタバはこんな感じ「アクセント」として色を差し込んできます。色々な店内を見てきましたが、このあたりのこだわりは結構徹底しているな~と感じますね。

鉄板の照明テクニック

 

鉄板の間接照明テク

スタバの照明テクは超勉強になります。空間の「おしゃれ度」をアップさせるのに一番効果的なのが「間接照明」なのは間違いないです。これは15年インテリアデザイナーをやっていて確信していることです。そして間接照明の威力が一番発揮されるのが「壁当て」です。上の写真をみてください。壁がふんわりと明るいですね。間接照明を壁に当てることでおしゃれ度3倍増しになります。鉄板中の鉄板テクです。壁自体に凸凹があると陰影がより強化されて美しいです。

実は隠している

上の写真をもう一度見てください。一番目立つ場所ってどこでしょうか?おそらく天井部分の木でつくられたシャー!となっている造作物だと思うんです。これ、非常にインパクトあります。ではなんでここまでインパクトのあるデザインにしたのか?それには理由があります。実は「あるもの」を隠すためなんです。それがシャー!の上にある「蛍光灯」です。よく見てください。蛍光灯。もしも、これが天井に丸見えの状態でドーンとついていたらどうですか?雰囲気台無しだとおもいませんか?蛍光灯って空間全体を平均的に明るくするのには向いていますが、いわゆる「雰囲気をよくする」のには向いていません。だから「隠す」ことにしたのではないかと筆者は考察しています。蛍光灯自体を撤去して新しい照明を設置する計画でもよかったのかもしれませんが、総合的に判断して「残す&全力で隠す」判断をしたんじゃないかと思います。

天井を粗末にしてはダメ、絶対。

 

天井まで「やるか」「やらないか」

天井、大事です。天井へのこだわり方でデザインの完成度は大きく変わります。理由は簡単なんですけど、天井までこだわらないデザインが世間には結構多いからです。商業施設のテナント店舗にありがちなのが、天井だけは「借りた時のまま」といったデザイン。ここ10年くらいで天井までしっかりとデザインする店舗は増えてきましたが、まだまだ「天井はそのまま」というのは多いです。さて、ここまでの話を踏まえて上の写真をご覧ください。天井までしっかりとデザインしてますよね。これがスタバ流です。

天井の高さと心理効果(カテドラル効果)

スタバがよくやっているデザイン手法として「天井をあえて低くする」というものがあります。スタバ店舗って大きく分けて「販売スペース」と「カフェスペース」に分かれます。販売スペースはコーヒーを買う場所です。カフェスペースはコーヒーを飲む場所です。スタバは「カフェスペース」の天井を意識的に低くするデザインをよく取り入れています。上の4枚の写真でいえば、下2枚がそれにあたります。これには経営目線のある戦略が使われています。それが「滞在時間」です。飲食店舗経営で大切なことって「回転率」です。回転率は高い方がいいですよね。ということは滞在時間は長い方がいいでしょうか?短い方がいいでしょうか?答えは「短い方」です。滞在時間を短くするのに有効なのが「天井を低くしたデザイン」なんです。

 

こちらの画像のように、天井を低くしたデザインは短時間滞在に向ています。体感としては、天井が低い方が時間の流れがゆっくりに感じる=短時間滞在でも満足できるように感じます。

シャー!!へのこだわり

 

木材のシャー

木目を基調にしたカフェは多いけど、他のカフェとは絶対的に違う何かがスタバにはあります。それが「シャー!」です。シャーって何ですかね?笑 少し専門的な言い方をすれば羽目板風のデザインが多いということです。4枚の写真の上2枚の天井面はまさに羽目板を使った(風の)デザインです。右下の写真は板材を貼り合わせたオリジナルの造作天井ですね。

羽目板について詳しく

照明のシャー

 

こちらは間接照明で「シャー」を表現していますね。カウンターしたと天井面に登場しています。

長いスパンが肝

「シャー」のデザインはスパンが長いことがデザインの肝になります。短いスパンのデザインでは「シャー」と感じることができません。一直線にシャーと流れているデザインが「シャー」のデザインの秘密ではないでしょうか。

 

こちらはスタバではないカフェの写真です。壁と天井に羽目板風のデザインがされていますが、シャーとは違いますよね。そういうことです。

最終的にはロゴで丸く収まる

 

こちらもスタバの店舗です(スターバックス川越鐘撞通り店)。一応「木目・グレー・白」の基本は押さえていますが、ロゴがなければさすがにスタバだとは思えないですね。もちろんデザイン自体はとても素敵です。結局は、スタバのロゴパワーはすごいということです。スタバのロゴも時代とともに変遷しています。その歴史の中には、どんな店舗スタイルにもなじむようにという戦略もあったのかもしれませんね。

スタバのロゴ変遷

 

スタバの道後温泉駅舎店です。こちらの建築自体は明治44年に施工せれた洋風建築の駅舎ですが、ロゴをペタッと貼り付けることで一瞬で違和感なくスタバです。すごいです。

まとめ

いかがでしたか?スタバの店舗デザインについての理解を深めてもらえたならうれしいです。スタバは店舗ごとにデザインが違いますが、どれもきちんとスタバです。それはスターバックスという会社のブランディングの完成度の高さを証明することになるんじゃないかなと感じます。コチラの記事を読んだら、実際に店舗にも行ってみてください。インテリアデザインの勉強をしている方であれば、きっと学ぶことがたくさんあるのではないかと思います。