というわけで、本記事ではインテリアデザイナーのリアルな仕事内容を3パターンに分けてご紹介していきます。インテリアデザイナーである筆者の実体験をもとにしているので、リアルさという点については信頼していただいて問題ないと思います。それではさっそくご紹介していきますね。
こんな方におすすめの記事です
・インテリアデザイナーのリアルな仕事の様子が知りたい
・インテリアデザイナーにとっての仕事のやりがいについて知りたい
・インテリアデザイナーという仕事が自分に向ているか知りたい
インテリアデザイナーの仕事内容①超普通の1日
これから紹介する1日のような日が一番多いです。
タイムテーブル
9:00 出社
9:10 デザインワーク(レイアウト書いたりパース書いたりのデスクワーク)
12:00 ランチ(15分程度で終わらせる人や何故か17:00頃にランチの人も多いけどキチンと栄養摂って休憩した方が健康でいられます)
13:00 内装業者と打ち合わせ(工事の細かい打合せ)
14:00 デザインワーク(レイアウト書いたりパース書いたりのデスクワーク)
21:00 退社(これくらいの時間にはなりがちです。嘘偽りなしでいきます)
22:00 帰宅
解説
だいたいこんな感じです。案件発生から工事スタートまでの全体の流れとしては次のような感じです。クライアントに要望をヒアリング→それをもとにレイアウトプランを起こす。その後、必要に応じてパース(3Dイメージ)を書いたり家具や照明器具を選んだりといった感じです。無事に案件受注となった場合は、工事に向けた詳細な図面を書いたり、建材メーカー(例:壁紙のメーカーやフローリングのメーカー)に実際に使用する建材のサンプルを依頼→実物を見ながらクライアントと内装工事業者と最終調整していく、といったことをしていきます。これらのすべてをデザイナー自身が行う場合もありますが、作業量が膨大になるので一部外注したりすることもあります。外注できると作業量は減りますが、外注先とのやり取りが発生します。そのため、依頼内容を端的に伝えるスキルも必要になります。規模の大きいデザイン会社だとアシスタントが付いて雑務的なことはお任せできる場合もあります。
必要なスキル・知識
上記のような仕事をするのに必要な知識はコチラです。
・CAD操作のスキル
・3Dイメージ作成ソフトの操作スキル
・クライアントの課題を見つけるスキル(ヒアリングスキル)
・その課題を解決するスキル(コンサルティングスキル)
・クライアントや関係業者とうまいことやり取りしていくスキル(ディレクションスキル)
・建築インテリアの関係の全般的な知識
・情報収集スキル
・忙しくても自分を見失わないスキル(自己管理スキル)
ざっくりこんな感じです。「え、必要なスキル多すぎない・・・?」と思ったあなた。全く問題ありません。筆者も入社当時はほとんどなにもできませんでした。具体的に言えば、CADで簡単な間取りをかける程度だったし、ヒアリングととかコンサルティングとか意味不明だと思っていました。実際に経験を積みながら身に着けていけば問題ありません。
インテリアデザイナーの仕事内容②プレゼンの1日
職場によりますが、定期的に他社との競合コンペが発生します。規模の大きいコンペの場合は時間をかけてプレゼンの準備を進めます(2週間程度)。そして、プレゼン当日を迎えます。
タイムテーブル
8:30 出社(そわそわして少し早めに出社)
9:00 プレゼン最終調整(資料の抜け漏れのチェック等)
12:00 ランチ
13:00 プレゼンの練習(実際の場面を想定してプレゼンします)
17:00 クライアント先にてプレゼン(緊張MAXです)
18:00 解放(お疲れ会と称して大体飲みに行きますが、うまくいかなかったときは帰社して反省会っぽくなります)
解説
案件規模の大小にかかわらずプレゼンテーションは重要です。そこらへんのカフェで自分の提案内容を説明する。これもれっきとしたプレゼンです。プレゼンとはわかりやすく言えば「伝える」ということです。しかも「相手に届くように伝える」。ここを意識しているかしていないかで結果は全く違ってきます。筆者も基本的に内向的な人間ですし、人前で話すことは得意ではありません。完璧で情熱的なパフォーマンスを目指す必要はありません。そこは本質ではありません。「届くように伝える」。これがプレゼンのすべてです。
必要なスキル・知識
上記のような仕事をするのに必要な知識はコチラです。
・プレゼンテーションスキル
インテリアデザイナーの仕事内容③工事の1日
インテリアデザイナーの仕事はデザインをするだけでは終わりません。デザインが決まると工事に向けて動き出す必要があります。基本的には「施工管理」と呼ばれる人が先頭に立って工事を取りまとめていきますが、デザイナーとしてデザイン通りの空間が仕上がるように各種図面をチェックしたり施工管理(通称セコカンさん)と打ち合わせを進めていきます。筆者はデザイナーは現場に長居しないほうがいいと考えているので、工事現場に通うことはほとんどしません。工事初日と最終日に少し顔を出すくらいですね。現場は現場のヒトに任せてデザインワークに集中することがデザイナーの仕事だと考えています。
タイムテーブル
8:30 現場直行
9:00 セコカンさんと職人さん含め工事内容の最終チェック
12:00 現場近くでランチ
13:00 ショールームに行く(情報収集兼息抜き)
15:00 デザインワーク(レイアウト書いたりパース書いたりのデスクワーク)
17:00 現場がトラブって焦る(時々あります)
21:00 退社
解説
工事初日は現場に出向くことが多いです。行かないこともあります。現場では最終的なでデザイン指示をします。その後は、セコカンさんとランチに行ったりして現場を後にします。工事とは関係ありませんが、デザイナーはインプットも大切です。ショールームや展示会にも時々顔を出して最新の商材に触れたりもします。私の場合は仕事というよりは息抜き感覚でやっていました。デザイナーとして仕事をする上で一番怖いのは「現場のトラブル」です。必要な建材が届かないとか間違ったモノが届いてしまったとかですね。そういう時は普通に焦りますが、クライアントの満足最優先で決断していきます。
必要なスキル・知識
上記のような仕事をするのに必要な知識はコチラです。
・男性社会で生き抜くスキル
・臨機応変に対応するスキル(ディレクションスキル)
デザインワークと違い、工事現場は実際に男性が多いし、男性的な雰囲気がプンプンしています。女性であればそういった雰囲気にひるまないスキルは必要かなと思います。あとはトラブルに対応するスキルです。基本的にはクライアント満足最優先で決断すればいいと思いますが、わからないときは上司に相談するのが賢明です。
インテリアデザイナーのやりがい
インテリアデザイナーのやりがいは「デザイン」に満足してもらうことに尽きます。そのために、デザインスキルは常に高め続ける必要があります。そして、デザインの良さを最大限効果的に伝えるための手段としてプレゼンスキルやディレクションスキルも活用していくといったイメージです。今回はデザイナーがディレクションや営業的な仕事も兼ねる形でお伝えしましたが、実際にはデザイナーはデザインワークだけを行い、それ以外の業務はディレクターや営業が行うこともあります。この辺りは職場によってばらつきの大きい部分です。あなたのやりたいやり方に一番違い働き方を探してみてください。
インテリアデザイナーに向いている人
インテリアが好きな人
これは絶対に外せません。わかりやすい例でいうと「お金を効率よく稼ぎたい」人には全くむいていません。インテリアデザイナーは仕事のハードさに比べてお給料はそれほど良くありません。筆者が会社員として働いていた頃はデザイナー歴5年でだいたい年収400万程度でした。仕事もハードなので「絶対に定時で帰りたい」という考えの人にも向いていません。「好き」という気持ちで支えられている部分が大きい仕事であるのは事実です。
ただ、独立してフリーランスになれば、ある程度の調整は可能です。筆者は1児の子供がいるワーキングマザーですが、フリーランスになってからは会社員時代の1.5倍程度の収入を得ることができています。これは、単価を自分自身で設定できること、徹底的な業務効率化を独自の判断で行えることが大きいと思います。すみません、話がそれてしまいましたが「インテリアが好き」ということはいずれにしても外せない条件です。
向上心がある人
「もっといい提案ができないものだろうか」と考え続けられる人はインテリアデザイナーに向いています。良い提案をするためにはある程度苦手なことにも向き合う必要があると考えています。例えば法律です。インテリアデザインには消防法や建築基準法が関わってきますが、法律の知識や抜け道を知っていることでデザイン提案力が広がることは良くあることです。あとは、コストの感覚を身に着けていることも大切です。すごく素敵なデザインでも全くの予算オーバーでは採用されません。こういったことを含め向上心をもって成長し続けられる人は間違いなく向いています。といっても、そんなに難しく考える必要はありません。筆者は会社員時代、法律もコストのことも大嫌いで逃げ続けてきましたが、なんとかやっていけていました。まずは、あなた自身の好きなことや得意なことを伸ばすことを考えれば大丈夫です。
最低限のコミュニケション能力がある人
インテリアデザインは一人で完結するタイプの仕事ではないので、最低限のコミュニケーション能力はあったほうがいいです。そのほうが楽しいと思えることが多いかなと思います。が、自称コミュ障の人でもそんなに問題はありません。デザインワークに特化できるような職場を選べばデザインに没頭することも可能です。
まとめ
インテリアデザイナーは地味な仕事が9割です。キラキラしているのはプレゼンしている場面くらいではないでしょうか?それでも、やりがいは大きいし、「好き」で食べていくことができる職種なのはまちがいないです。インテリアデザイナーといっても仕事は多様です。職場によっても扱う商品によっても内容は変わってきます。あなたが今就活中なのであれば、本記事を参考にしてどういった仕事内容が向いているのかを是非考えてみてください。