こんにちは、いまこです。インテリアデザイナー歴15年です。インテリアデザイナーを目指す方に向けたお役立ち情報をブログで書いています。今回の初心者ちゃんの質問はこちらです。
というわけで、今回はADHD傾向を持っている人はインテリアデザイナーに向いているのか?という疑問にお答えしていきます。筆者はADHDと診断されたわけではありませんが、ADHD傾向があるのは間違いないかな・・・と考えています。理由としては、このあとの診断テストに9個中8個当てはまるからです。「仕事ができない・やる気がない」という評価を下された経験や、それを乗り越えた経験をもとにお伝えしていきます。
こんな方におすすめの記事です
・ADHD傾向があり、インテリアデザイナーを目指している
・社会人としての「当たり前」に適応できず毎日が辛い
・自己肯定感が低いのを自覚していてなんとかしたいと思っている
結論
・インテリアデザイナーという職業はADHD特性を活かしやすいといえます
・それに加えて「働き方」がADHDの生きやすさに大きく左右されます
詳しく説明していきます。
インテリアデザイナーはADHD特性を活かせる職業なのか?
まずは、ADHD診断をしてみましょう
今回は、ADHDの中でも特に注意欠陥(AD)傾向に特化してお伝えしていきます。診断項目は、ゆうメンタルクリニックさんのサイトをもとに作成しました。それではさっそく診断していきましょう。
①人の話をきちんと聞けない
②業務を指示通りに進めるのが苦手
③細かい注意ができず、ケアレスミスが多い
④注意を持続させるのが難しい
⑤外部からの刺激で注意散漫になりやすい
⑥課題やタスクを計画立てて整理することができない
⑦同じことの繰り返しができない
⑧ボーっとしているように見られる
⑨仕事や日常生活においてうっかり忘れてしまうことが多い
いかがでしたか?「いくつ以上だとADHD」などの診断はできませんが、多ければ多いほどADHD傾向が強いという見方をしてもらえればOKです。
インテリアデザイナーの仕事を分類してみる
まずは、インテリアデザイナーの仕事を業務別に分類してみます。
1.デザイン:デザインアイデアのインプットや実際のデザインワーク
2.コミュニケーション:クライアントや関連業者、社内でのコミュニケーション
3.調整:スケジュールやコストの調整業務
4:事務:各種資料作成
ざっくりこんな感じで分けてみました。そのうえで、それぞれの業務について、診断項目をもとにADHDならではの「向ている・向いていない」を解説していきます。
デザイン業務での「向いている」「向いていない」
向いている
デザインワークはとてもやりやすいです。理由はADHD傾向のある人は「発想力に富んでいてアイデアが豊富」といわれているからです。また、「好きなことは没頭できる」気質をもっているのでデザインに没頭することができます。
向いていない
一方、クライアントの要件が厳しくデザインの自由度が低い場合はデザインワークが苦しく思えます。(②業務を指示通りに進めるのが苦手、⑥課題やタスクを計画立てて整理することができない)
コミュニケーションでの「向いている」「向いていない」
向いている
ADHD傾向のある人はマシンガントークという特徴があるので、プレゼンテーションは練習すれば向いているし、結果も出せます。また、「人に教えること」が得意という人も多いので、部下の方向性を示してあげたりするのが直感的に楽しいと思えます。
向いていない
クライアントの話を徹底的に聞く、上司の指示を素直に聞くといったことは向いておらず、つい途中で口を挟んでしまったり(②業務を指示通りに進めるのが苦手)、逆に話を聞いていないかのような態度をとってしまうことがあります(⑧ぼーっとしているように見られる)。それによって「やる気がない」というような評価を下されてしまい自尊感情が育たず、「自分は仕事ができない」と思い込んでしまうことがあります。ちなみに、筆者は上司の指示に従うことが苦手だったり、人の話を聞いているときに勝手に自問自答が始まってしまい、人の話を聞いていないような印象を与えてしまい人間関係がうまくいかなかったことが何度もあります。
調整業務での「向いている」「向いていない」
向いている
直感的に決断するのが得意という特徴を持っているので、「とにかく間に合わせる」とか「とにかく決めちゃう」みたいなことはサクッとこなせます。
向いていない
リスク回避のようなことは得意ではないので、決断した後の抜け漏れは結構多いです(③細かい注意ができず、ケアレスミスが多い⑨仕事や日常生活においてうっかり忘れてしまうことが多い)
事務業務での「向いている」「向いていない」
向ている
基本的にはないです。指示されたことをきちんと実践した後の、付加価値をつけるような業務は楽しいと思えるかもしれないです。
向いていない
ADHDの苦手が凝縮されているのが事務業務です。①人の話を聞けない②業務を指示通りに進めるのが苦手③細かい注意ができず、ケアレスミスが多い⑦同じことの繰り返しができない⑨仕事や日常生活においてうっかり忘れてしまうことが多いといった特徴は事務には向いていないので、時間をかけて慣れていくか、得意な人に任せていくのがベターです。
インテリアデザイナーの働き方で考える
まずは、「どこで働くのか」ということについてです。ADHD傾向のある人は集団の中で働くと生産性が極端に落ちる傾向があります。理由は④注意を持続させるのが難しい⑤外部からの刺激で注意散漫になりやすいといった傾向をもっているからなのですが、筆者自身も集団の中で働くのが苦痛で、会社に頼み込んで在宅ワークに切り替えてもらった経験があります。ADHD傾向のある人は「職場」にはこだわったほうがいいです。確実に生産性が上がるし仕事を楽しめます。具体的には「少人数の職場」「個室で区切られている職場」「在宅ワーク」がおすすめです。雇用形態に関しては、独立してフリーランスとして働くのもおススメです。理由はやることとやらないことを自分で選択できることが一番のポイントです。あとは、上司がいないので、自由にデザインワークに没頭できます。
解決方法とまとめ
色々書きましたが、結論から言うとインテリアデザイナーはADHD傾向のある人が結果をだすには向ている仕事です。理由はインテリアデザイナーの本分は「デザインワーク」であり、そこでスキルを磨き続ければインテリアデザイナーとして求められるようになります。筆者はADHD傾向を理由に自己肯定感が底辺まで下がったことがありますが、それはCADオペレーターをしていたころの話です。CADオペレーターは正確さが大切な仕事なので、ケアレスミスの多いADHDには最も向いていません。その頃の苦い記憶ですが、ちょっとしたパソコン上の選択ミスで、会社が震撼するほどのミスを犯したことがあります・・・。(それでも元気に生きています。)インテリアデザイナーになってからは、単純に仕事が楽しいという気持ちが大きく、期待値以上の評価をしてもらえたのもあり自己肯定感は人並み程度にはなったと思います。社内の人間関係に関しては、立ち向かっていくよりは「逃げる」ことを選択したほうが賢明です。就職の際に、人間関係までリサーチすることは難しいですが、職場のレイアウトや在宅ワークが可能かなどをリサーチしておけば、ある程度の「人間関係対策」になると思います。筆者の場合は「嫌なこと」「辛いこと」から逃げる形でここまで来ました。そして、結果的にはフリーデザイナーとして十分に食べていけるだけの生活が送れています。ここまで記事をよんでいただいたあなたは、きっと筆者と同じような傾向を持っているのではないかと思います。嫌なことを克服するのではなく、是非逃げる方法を探して、毎日を楽しめるよう行動してみてください。